皆さん御機嫌よう、大変ご無沙汰してしまいました、こちらは元気に頑張っています。
今、大変な時代が来ています。
地球の温暖化による気候変動は、世界的に様々な災害や弊害を生んでいます。
また国や民族、宗教による争いが多発しています。日本とて他人事ではありません。
いつ自分の身に降り掛かるやも知れません。
国を超えて民族を超えて、地球規模で助け合わなければならないと思います。
最近よくNHK-TVを見ます。民放ではバラエティーや食べ物中心の旅番組、
クイズ物や中身の無いドキュメントなど、一体誰が見てるのかなと思うばかりですね。
て言うかほとんどNHK、或いはBSにチャンネルを合わせています。
上っ面の物語など何の興味も意味も感じません。
報道番組ですらうそっぽく感じる事柄も多い、全てを美化したり徹底的に持ち上げたり、
徹底的に批判をしたりやり込めたり、良い人間悪い人間とそんなに明確に判別できるものでしょうか。
誰もが善と悪を持ち、誰にも価値観の違いがある。全てを同じ目線で見ていくことは大変怖い気がします。
そんなことを思っているのは私だけでしょうか?
65歳になって思うように体が就いて行かず、多少気力の衰えを感じつつ、進歩進化したこともあります。
その一つがあまり怒らなくなった事、TPOを弁えて暴飲暴食しなくなった事、人生の自分基準を変えて
次世代思考に変わった事、過去の悔いを考えず立った今の自分と向き合えるようになった事などなど、
歩んできた道や出会いに思いを馳せつつ、感謝の気持ちでいっぱいです。
30数年前に一本道と決めた今の道、小千谷縮を重要無形文化財だの伝統工芸と持て囃し、
床の間に置かれてしまった素晴らしい職人文化、日本の誇る様式文化を今の時代に呼び戻すこと、
産業としての価値を見出す事が自分の仕事だと思ってやってきました。
そんな私を面白く無いという人たちもいた。様々な謂れの無いご批判、
聞くに堪えない中傷に耐えながら、その中でもがき苦しみながらやって来ました。
それ以上に全国の皆さんが私を支えてくれました。誰よりも素材の美しさや豊かさに惚れ込み、
職人の手仕事に恋焦がれ、伝統技術やその道具を大事に思って仕事してきました。
博物館に飾ったり、美術館で見てもらう事のために存在するのではない。
今を生きる、今に生かす、今に羽ばたく為にこそ真の伝統工芸といえるのではないか、
何故この地にこんな素晴らしい織物が生まれたのか、何故この地の人々は1200年にわたって、
この織物を伝え守る事ができたのか、それをこの手で検証し証明していきたいと思います。
織物工場新築のご連絡
このたび弊社では一貫した織物工場の建設に着手し、この8月に完成いたしました。
糸づくり、整経、シャトル織機の導入と、今までの外注生産から一部自社生産に切り替えます。
今小千谷産地では着物以外を織ることの出来る、90cm以上の広幅織機は弊社の工場を除いて
一台も稼動していません。このたび二年がかりで捜し求め、漸く中古のシャトル織機5台を購入し、
全てを徹底的に修理して、新しいコンピュータシステムの導入も果たし、順次稼動させます。
全国どこにも無い工芸織物としてのタペストリーや暖簾の制作、小千谷縮の寝装寝具や
ファッション素材など、様々な伝統技術を駆使して幅広く、表現力豊かな作品づくりの場として、
生産基地として将来の大きな拠点として期待しております。